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【事例あり】「SOAP」を使った介護記録の書き方ガイド|情報共有の効果を最大化する「思考の整理術」とは

楠本 純平 楠本 純平

目次

「日々の業務に追われて、記録を書く時間が足りない」
「申し送りの時間が長引いてしまい、ケアの時間が削られている」

介護現場で働く皆様にとって、記録業務の効率化と質の向上は大きな課題ではないでしょうか。

その解決策として、医療・看護の分野で標準的に使われている「SOAP(ソープ)」という手法が、介護現場でも広く導入されています。

SOAPが選ばれる理由、それは単に「書きやすいから」だけではありません。
実はICTの観点からも、SOAPは「記録を組織の資産に変える」ために理にかなった形式です。

本記事では、介護記録システム・介護アプリ「ケアコラボ」を手掛けるケアコラボスタッフが、多くの福祉事業所様へシステムを提供する中で培った知見をもとに、SOAPの書き方はもちろん、フォーカスチャーティングなど他方式との違い、そして記録の質を高める際の思考の整理術を解説します。

1. そもそも「SOAP(ソープ)」とは?

SOAPは患者中心の「問題志向型システム(POS)」という考え方に基づく記録形式です。

情報を4つの項目に構造化(フォーマット化)することで、誰が読んでも状況がわかる論理的な記録になります。

介護/看護記録フォーマットSOAP

SOAPの基本4要素

項目意味介護記録における内容データの役割
S (Subjective)主観情報ご本人の発言、訴え。「痛い」「帰りたい」など。
※記録者の主観(感想)ではありません。
【生の声データ】
本人のニーズや感情のログ。
O (Objective)客観情報観察した事実、数値。バイタル、食事量、行動。
※誰が見ても変わらない事実を書きます。
【客観データ】
数値や事実として検証可能なログ。
A (Assessment)アセスメントSとOに基づいた分析、評価、考えられる原因。
専門職としての「見立て」です。
【分析データ】
事実に対するプロの解釈・判断。
P (Plan)計画Aに基づいた今後のケア方針、具体的な対策。
「何をするか」を書きます。
【行動データ】
解決策(ソリューション)の履歴。

なぜSOAPが推奨されるのか:事実と解釈の分離

SOAPのメリットの1つに、「事実」と「解釈」が強制的に分けられることが挙げられます。

「元気がない(解釈)」と書くのではなく、「食事摂取3割(事実O)のため、体調不良の可能性がある(解釈A)」と書き分けることで、情報の精度が高まり、読み手による誤解を防ぐことができます。

伝わる記録にするために「事実」と「解釈」を分ける

S・O・A・Pの相互関係と「A」の重要性

SOAPは、ただ4つの枠を埋めればよいわけではありません。それぞれには明確な因果関係があります。

  • S・O(根拠)があるからこそ、A(判断)ができる。
  • A(判断)があるからこそ、P(対策)が決まる。

注意すべきポイントは、「A(アセスメント)がない記録」です。

「転倒しました(O)→ 湿布を貼りました(P)」という記録では、「なぜ転倒したのか?」「なぜ湿布で良いと判断したのか?」という思考のプロセスが抜け落ちています。

万が一の事故の際、この「A(専門職としての判断根拠)」が抜けていると、適切なケアを行っていた証明ができません。法的リスク回避の観点からも、Aの記述は不可欠です。

2. 徹底比較!SOAP・フォーカスチャーティング・叙述記録の違い

「記録の書き方」にはSOAP以外にもいくつか種類があります。
現場でよく使われる「フォーカスチャーティング」や「叙述記録」と何が違うのか、どう使い分ければいいのかを整理しました。

代表的な記録方式の解説


① フォーカスチャーティング

フォーカスチャーティングとは、利用者に起きた特定の「出来事」や「状態の変化」にフォーカス(焦点)を当てて記録する手法です。

時系列にとらわれず、重要なイベントが発生した際に記述します。一般的にDARまたはFDARと呼ばれる項目で構成されます。

  • F (Focus):焦点(出来事・状態変化)
  • D (Data):客観的・主観的な情報(SOAPのS・Oに相当)
  • A (Action):実施したケア内容(SOAPのPに相当)
  • R (Response):ケア後の反応・結果

② 叙述記録

「何時何分に何をして、どうなった」というように、時間の経過に沿って見たことや聞いたことを文章(ストーリー)で記述する手法です。

特別なフォーマットがなく、日記のように書けるため初心者にも馴染みやすい反面、要点がぼやけやすく、読み手によって解釈が割れるリスクがあります。

③ SOAP

前述の通り、問題解決(課題)に主眼を置いた形式です。

「何が起きたか(Focus)」よりも、「その原因は何か(Assessment)」「どう解決するか(Plan)」という論理的思考プロセスを重視します。

各フレームワークの特徴比較

記録方式特徴向いている場面メリットデメリット
SOAP問題解決型
課題(S/O)に対し、分析(A)と対策(P)を書く。
変化があった時
トラブル対応
ケアプランの評価
論理的で、次のアクションが明確になる。
申し送りが早くなる。
変化がない日(特変なし)には書きにくい。
分析力(A)が必要。
フォーカス
チャーティング
出来事・焦点型
利用者に起きた出来事や状態の変化(Focus)に焦点を当てて書く。
経過の観察
状態変化のプロセス記録
看護・介護介入の反応
時系列での変化や、介入(Action)への反応(Response)が追いやすい。「なぜその分析に至ったか」という思考プロセス(アセスメント)の記述が、SOAPに比べて弱くなりやすい。
叙述記録ドキュメント型
ありのままを時系列で文章にする。
プロセス重視
認知症の方の情緒
レクの様子
その場の雰囲気や文脈が伝わる。
初心者でも書きやすい。
長文になりがち。
要点がボヤけ、読み手によって解釈が割れる。

介護現場での「ハイブリッド運用」のすすめ

通常記録とSOAPの使い分け

「全ての記録をSOAPで書かなければならない」と考えると、現場の負担は増すばかりです。

効率的な運用のコツは、記録方式の「使い分け」です。

  • 特変なし・ルーチン業務(入浴・排泄など):チェックリストや簡潔な経過記録で済ませる。
  • 特変あり・トラブル時(転倒・拒否・急変):SOAP形式で書く

このようにメリハリをつけることで、重要な情報(SOAP)が埋もれず、チーム全体で注目すべき課題が明確になります。

3. SOAPを書くための「思考の整理術」

SOAP導入で難しいポイントは「A(アセスメント)が書けない」「SとOが混ざる」という点です。
不正確な情報(S/O)からは、正しい分析(A)は生まれません。

そこで有効なのが、記録の質を高めるための「4つのステップ」です。

このプロセスを踏むことで、自然とSOAPの各要素が整理され、論理的な記録が完成します。

ステップ① 収集 ➡ 【S・O】の素材を集める

まずは記録の素材集めです。ここでは漫然と見るのではなく、「仮説」と「観察」のアンテナを立てることが重要です。

  • 仮説(事前の予測): フェイスシートや申し送りから、「新しい薬に変わったから、ふらつきが出るかも(Oの予兆)?」「ご家族の面会後だから、寂しさが出るかも(Sの予兆)?」と予測を立てて現場に入ります。
  • 観察(五感での収集): 仮説をもとに、実際の利用者の様子を観察します。 「本当にふらつきはあるか?」「表情はどうか?」と意図的に情報をキャッチします。

ステップ② 整理 ➡ 【S・O】を分類する

集めた情報を、ご本人の訴え(Subjective)と事実(Objective)に分類します。

  • ご本人の訴え(発言内容) ➡ S (Subjective)
    ご本人の言葉そのもの。
    「痛い」「帰りたい」など。
    ※SOAPではSubjective(主観的情報)と呼ばれますが、記録者にとっては「そう発言された」という事実として扱います。
  • 事実(客観) ➡ O (Objective)
    誰が見ても変わらないデータ
    「37.5℃の発熱」「食事摂取3割」「眉間にシワを寄せている」「ご本人の言葉(「痛い」「帰りたい」)」など。

ポイント:3つの視点
情報を整理する際、「身体面」「心理面」「社会・環境面」の3つの視点を持つと、SとOを多角的に整理できます。

ステップ③ 考察 ➡ 【A】を導き出す

整理されたSとOを材料に、「なぜそうなったのか?」を考えます。
これがSOAPの核となるA(アセスメント)です。 ここでは「事実・要因・判断」の3段構成で考えると、論理的なアセスメントになります。

  1. 事実(What):SとOのまとめ。「何が起きているか」。
  2. 要因(Why):専門知識や過去の傾向。「なぜ起きているのか」。
    • 例:「義歯を新調した直後は、不適合による痛みが出やすい」
  3. 判断(Next):結論。「どう評価するか」。
    • 例:「食欲不振ではなく、義歯不適合による疼痛と考えられる」

ステップ④ 共有 ➡ 【P】を決め、SOAP形式で共有する

アセスメント(A)ができれば、やるべきこと(P)が見えてきます。
最後に「思考の逆再生チェック」を行いましょう。
「Pの根拠はAにあるか?」「Aの根拠はS/Oにあるか?」を下から上に確認することで、論理の飛躍を防げます。

  • P (Plan):具体的な対策。「義歯を外してミキサー食を提供する」「歯科へ連絡する」。

4. 【実践事例】思考プロセスからSOAPを完成させる

現場で頻出する3つのケースで、「4つのステップ」を使ってSOAPを完成させるまでの流れを見てみましょう。

ケース1:食事拒否(認知症・義歯不適合)

1. 頭の中の整理(思考プロセス)

  • ①収集: 「先週義歯を作ったばかり(仮説)」という情報を持って観察。箸が進まない。「痛いですか?」と聞くと頷いた。
  • ②整理:
    • S:「痛い」との頷き。
    • O:主食3割。眉間にシワ。義歯を外そうとする動作。口腔内の発赤。
    • 解釈:やっぱり痛いんだな。食欲がないわけじゃなさそうだ。
  • ③考察:
    • 事実(What):残食があり、義歯を外したがる。発赤もある。
    • 要因(Why):義歯新調直後は不適合による接触痛が出やすい。
    • 判断(Next):これは「食欲不振」ではなく「義歯不適合による疼痛」である。
  • ④共有(P): 痛いなら外そう。食事形態を変えよう。歯科医に診てもらおう。

2. 完成したSOAP記録

タグ: #食事摂取 #義歯トラブル #疼痛対応

項目記録内容
S食事中、表情険しく「痛い」との訴えあり(頷きにて確認)。
O12:15 昼食介助。主食3割、副食0割。義歯を外そうとする仕草あり。口腔内確認にて左下歯茎に軽度の発赤を確認。
A義歯新調による不適合(痛み)が原因での摂取不良と考えられる。
P本日は義歯を外しミキサー食対応。歯科往診依頼済み。ご家族へ報告済み。

ケース2:転倒・ヒヤリハット(環境要因)

1. 頭の中の整理(思考プロセス)

  • ①収集: 訪室したらベッドサイドで転んでいた。スリッパが脱げている。「急いでトイレに行こうとした」と言う。
  • ②整理:
    • S:「トイレに行きたくて急いでいた」
    • O:ベッドサイドで転倒。外傷なし。スリッパが散乱。本人はすり足歩行。
    • 解釈:焦ったのもあるけど、このスリッパ、すり足の人には危ないな。
  • ③考察:
    • 事実(What):尿意切迫感があり急いで移動しようとして転倒した。
    • 要因(Why):すり足歩行の方にとって、スリッパは脱げやすく転倒リスクが高い(環境要因)。
    • 判断(Next):本人への注意喚起だけでは再発する。履物を変える必要がある。
  • ④共有(P): ご家族に踵付きの靴をお願いしよう。トイレ誘導のタイミングも見直そう。

2. 完成したSOAP記録

タグ: #転倒 #ヒヤリハット #環境整備

項目記録内容
S「トイレに行こうとして急いでいた」との発言あり。
O14:00 居室内ベッドサイドにて転倒発見。外傷なし、意識清明。着用していたスリッパが脱げており、足元に絡まった形跡あり。
A尿意切迫感による焦りに加え、すり足歩行に対してスリッパの使用が転倒リスクを高めたと考えられる。
P踵付きルームシューズへの変更をご家族へ依頼(電話連絡済)。トイレ誘導のタイミングを見直す。

ケース3:不穏・帰宅願望(BPSD対応)

1. 頭の中の整理(思考プロセス)

  • ①収集: 夕方になると「もう帰る!」と玄関へ行く。止めると怒る。元会社員だったな。
  • ②整理:
    • S:「もうバスの時間だ、帰らないと」
    • O:16:30 玄関で歩き回る。制止すると声を荒げる。
    • 解釈:時間的に「退勤」のつもりなんだろう。止めるより乗っかったほうが良さそう。
  • ③考察:
    • 事実(What):夕方、強い帰宅願望と興奮が見られる。
    • 要因(Why):認知症特有の、過去の就労習慣(退勤時間)に基づく行動と思われる。否定は興奮を助長する。
    • 判断(Next):BPSDとしての「不穏」というより「習慣」。「仕事の労い」として受容・傾聴すべきだ。
  • ④共有(P): 「お疲れ様でした、一服しましょう」とお茶に誘ってみよう。

2. 完成したSOAP記録

タグ: #不穏 #帰宅願望 #認知症ケア

項目記録内容
S「もうバスの時間だ、帰らないと」と強い口調で訴えあり。
O16:30 玄関ホールにて落ち着きなく歩き回る。制止に対し声を荒げる場面あり。
A夕方の時間帯特有の、過去の就労習慣(退勤)に基づく行動と思われる。否定は興奮を助長するため、受容的対応が望ましい。
P「お仕事お疲れ様です」と声をかけ、談話室でお茶を提供。傾聴対応にて様子観察を行う。

5. 【管理者・リーダー向け】SOAP定着ガイド

現場にSOAPを導入する際、リーダーはスタッフが「4つのステップ」のどこでつまずいているかを見極め、フィードバックすることが重要です。

① 「SOAP」への添削フィードバック

記録を見る際、単に「書き直して」と言うのではなく、具体的な視点でフィードバックしましょう。

パターン1:SとOの混同

【NG記録例】

S: 今日はなんだか寂しそうなご様子で、「家に帰りたい」と仰った。
O: 夕食を半分残された。

  • 修正点: 「寂しそう」というのは記録者の主観(解釈)です。本当に寂しいのか、体調が悪いのか、事実からは判断できません。
  • 指導例: 「『寂しそう』と感じたのはあなたの感想だね。Sにはご本人の言葉『家に帰りたい』だけを書こう。 そして、なぜ寂しそうに見えたのか?(例:涙ぐんでいた、窓の外をずっと見ていた、溜息をついていた)という事実をOに書くと、読み手に状況が正確に伝わるよ。」

パターン2:Aが事実の復唱

【NG記録例】

S: 「お腹が痛い」
O: 3日間の排便なし。下腹部に張りあり。
A: 便秘である。

  • 修正点: 「便秘である」はO(3日排便なし)を見ればわかる事実の繰り返しです。これでは専門職としての分析(アセスメント)になりません。
  • 指導例: 「『便秘である』は事実だよね。A(アセスメント)では、プロとしての見立てが欲しいな。 例えば、『下剤の使用が必要なレベルか?』『水分不足が原因か?』といった分析や、『摘便が必要な可能性がある』といった判断を書こう。それが次のP(対策)に繋がるよ。」

② カンファレンスでの活用

申し送りやケース会議で、ホワイトボードに「S・O・A・P」の枠を書き、みんなで埋めていくワークショップも有効です。

「Aさんのこの行動、Sかな?Oかな?」「この事実(O)から、どんな分析(A)ができる?」と議論することで、チーム全体の「アセスメント力」が向上します。

6. なぜ今、SOAPなのか?(ICTの観点でのメリット)

ここからは少し視座を上げて「なぜ組織としてSOAPに取り組むべきなのか」を、ICTの観点から解説します。

記録方法改善の取り組みは、あなたの事業所の「ケアの質」を向上させる戦略となります。

① 「検索」できる資産になる(再利用性の向上)

自由記述の「日記のような記録」は、後から探すのが困難です。

しかし、SOAP形式で構造化されたデータは、「#転倒」「#食事拒否」などの条件で瞬時に検索できます。

  • 「Aさんの過去の『食事拒否(O)』の時、どんな『対策(P)』が有効だったか?」
    こうした成功事例(ナレッジ)を瞬時に引き出せるようになり、新人職員でもベテランと同じような判断が可能になります。

② 「暗黙知」を「形式知」に変える

ベテラン職員の「なんとなくおかしい」という勘(暗黙知)は、そのままでは継承されません。

SOAPというフォーマットを通すことで、

  • 「なんとなく(勘)」➡「S:発言の減少、O:視線の定まらなさ」
    といった具体的な事実として言語化(形式知化)されます。これにより、組織全体でノウハウを共有できる学習する組織へと進化します。

③ AI活用への布石

構造化されたデータは、AI(人工知能)にとって最高の学習材料(教師データ)になります。

「このO(状態)の時には、このP(対策)が有効だった」というデータを蓄積していけば、将来的には「AIがケアプランの原案を提案してくれる」といった高度な支援を受けるための基盤になります。

ケアコラボの「1dayシート」が実現する、SOAP記録の強力なサポート

SOAPは単なる記録手法ではありません。

「事実に基づき分析し(専門性)、チームで共有し(連携)、未来のデータとして蓄積する(資産化)」という、ケアのプロフェッショナルとしての営みそのものです。

しかし、日々の業務の中でS・O・A・Pを意識して記録することは容易ではありません。

そこで、ケア記録システム「ケアコラボ」は、「1dayシート」という独自機能を活用することで、このSOAPのサイクルを自然かつ強力にサポートします。

1. 【S & O】「望む暮らし」と「実態」の可視化

SOAPの基礎となる情報収集において、1dayシートはその構造自体が大きな役割を果たします。

  • S(Subjective:主訴・本人の思い)
    1dayシートはご利用者の「意向・好み」や「自分でできること」を24時間軸に落とし込むことで、利用者が本来望んでいる生活リズム(S)を定義します。本人の具体的な思いが、ケアの基準点として常に表示されます。
  • O(Objective:客観的事実)
    日々の記録(タイムライン)によって、実際に提供したケアの時間や内容(O)が蓄積されます。

2. 【A】「ズレ」への気づきが、質の高いアセスメントを生む

1dayシートの最大の強みは、「基準(1dayシート)」と「実績(日々の記録)」のズレを可視化できる点にあります。これが、SOAPの中で最も重要で難しいA(Assessment:評価・分析)を強力に後押しします。

  • モニタリングの自動化
    「7時に起きる予定(シート)」に対して「実際は8時の支援が増えている(記録)」といったズレが統計的に見えてきます。
  • 「なぜ?」を考えるきっかけ
    このズレに対し、「眠たそうにしているからか?」「職員の都合ではないか?」と分析することで、深いアセスメントが可能になります。例えば、「夜の転倒は雨の日に多い」といった相関関係から、環境要因を含めた分析が導き出されます。

3. 【P】「ToDoリスト」ではない、生きたプランへの昇華

アセスメントの結果は、次のP(Plan:計画)へと直結します。

  • 実情に即したプラン修正
    分析に基づき、「時間軸を変えてみよう」「本人に確認してみよう」と1dayシートを更新することで、計画(P)が常に実態に即したものへとアップデートされます。
  • 個別ケアの実践
    1dayシートが単なる作業指示書(ToDoリスト)になってしまうのを防ぎ、「本人の思いを形にする」ための生きたプランとして機能させることができます。

結論:記録するだけでSOAPが回る仕組み

ケアコラボの1dayシートは、「時間軸を意識したアセスメント」を機能として組み込んでいます。
スタッフは日々の記録を行うだけで、「予定(S/P)」と「実績(O)」の比較から自然と「考察(A)」が促され、次の「計画(P)」へと繋がっていきます。

「書くこと」に労力を割くのではなく、1dayシートを通じて「利用者を知り、考えること」に注力できます。

ここまで記事を読んでいただき、ありがとうございました。
ご興味を持ってくださった方はぜひお気軽にお問い合わせください。

ケアの質を記録から変えるバナー
楠本 純平

楠本 純平

ケアコラボでは、インサイドセールス、プロダクトオーナー、企画など、幅広い役割を経験。 現在は「何でも屋」として、福祉の現場で日々奮闘されるユーザーの皆さまが「ケアコラボを使ってよかった」と感じていただける瞬間を少しでも増やすため、さまざまな領域に関わっています。 志高く、あたたかなケアコラボユーザーの皆さまから学ばせていただくことも多く、日々刺激と気づきをもらっています。

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