一度挫折した記録システムの導入。ケアコラボで変わった介護現場の日常
千葉市内でのサービス提供に特化し、地域に密着した小規模で小回りの効くサービスを提供している。
ケアコラボはみやのぎ荘、たちばな倶楽部で利用中。職員数は約90名。
- エクセルで作成した用紙を印刷して手書き
- 請求ソフトの記録オプションの導入は挫折
- 朝礼、夕礼は全員が集まって対面で実施
- ケアの合間に各自がスマホで記録して時間短縮に
- ケアコラボはみんなが使いやすく活用できる
- 朝礼、夕礼はコメント機能を活用してケアコラボ上で実施
記録システムを導入していたが、紙の記録に戻ってしまった
― ケアコラボ導入前の記録について教えてください。
エクセルで作成したフォーマットを印刷して、そこに手書きで記録していました。
ただ実は以前に、他のケア記録システムを導入している時期があったんですよね。
― なぜ記録システムの利用をやめて手書きの記録に戻したのでしょうか?
実地指導で「記録の内容が不十分」という指摘が入りました。
というのも導入していた記録システムは請求システムのオプション機能だったんですね。
請求のための記録がメインで、具体性がなく網羅されていない記録が多かったんです。例えば「巡視した」というようなものばかりで、指導の通りご利用者の日々の様子が分かる記録にはなっていませんでした。
当時使っていたシステムでも具体的な記録はできるのですが、記録する気が起きない単調なデザインでした。
請求のための記録なので、業務的な画面設計になっていて、みんなが詳細を記録ができるものではありません。
本当は記録に写真を添付して、より具体的に情報を伝えたかったのですが、そういった機能もありませんでした。
そういった課題もあり、いっそのこと紙の記録に戻してしまったという経緯があります。
― 記録システムから紙の記録に戻されて、どういった課題がありましたか?
まず1つ目は人によって字のきれいさが人によって違うということですね。
特に急いでいる時は走り書きになってしまいますし、いつでも読みやすい字で記録することはできません。
夜勤明けの集中力が切れたタイミングだと、疲れていたんだな…と感じる字になっていたりなんてこともありました。
2つ目は修正がむずかしいことです。
紙の記録は基本的に一度書いたものを気軽に修正はできないので、二重線を引いて狭いスペースに文字を書くケースもありましたが、とても読めたものではありませんでした。
また時系列にならないことも課題に感じていて、他の人が一度書いてしまうとその間に起きたできごとを書く場所がなく、事象を追いづらかったです。
3つ目は保管場所がなかったということです。監査対応のために数年間の記録を保存するにも、小規模な施設なため、どうしても場所の確保がむずかしいです。
保管に伴う業務も煩雑になっていました。書類担当ができたのですが、人によっては忘れてしまう方もいるんですよね。
「施設長、あの人できていないんで注意してください」なんてことを言われることが多々あり、人間関係にも影響を及ぼしていました。
地味にボールペンや紙が足りない、補充の発注がされていないということもありました。
― 記録業務に関する小さなストレスが積み重なっていたようですね。
そうなんです。他にも記録に対する残業があったりと、本当にいくつもの課題がずーっと蓄積されていて、どうにかしたいと思っていました。
― そういった課題をお持ちの中、どうやってケアコラボをお知りになられましたか?
たまたま同じ千葉県内の社会福祉法人 福祉楽団 理事長の飯田さんと別件でお話をする機会がありました。
その際に「記録はどうされていますか?」と伺ったところ、ケアコラボを利用されてるとのことでした。
特にスマホで記録できることが衝撃的だったので、すぐにケアコラボ社に問い合わせをしました。
パソコンやタブレットも便利ではあるんですが、大きくて重いので持ち運びができません。スマホのように持ち運びできることがいいと思ったんです。
片手で操作できるので、ご利用者のケアをしながらすぐ側で記録ができ、本当に魅力的に思えました。
― 現場の方も交えてご説明しましたが、皆様の反応はいかがでしたか?
昭和の最初期にテレビをはじめて見た人たちのような反応でしたね。笑
現場の職員も積極的に「こんなことできますか?」と質問していて、課題の解決につながりそうだと感じたのではないでしょうか。
特に検索機能が評判でしたね。キーワードを入力すればすぐに必要な記録にたどり着けるので、紙の記録と違って書いて終わりにならないことが想像できました。
また以前使っていたシステムと比べて画面設計がシンプルで、みんなが使えそうなイメージを持ってくれました。
他社と比べて圧倒的な価格の差と使いやすさで順調な導入へ
― その後法人内で導入の検討を進めていかがでしたか?
上申時には「ケアコラボは本当に初期費用無料なの?1ユーザーあたり月額880円って嘘じゃないの?」と怪しまれましたね。
他社のシステムだと初期費用が数百万円はかかるので、あまりにもギャップがあったんですよ。
「あとからスーツ来たお偉いさんが来てとんでもない額を請求されるんじゃないの?」と何度も確認されました。
一応他の会社のお話も聞いたんですが、初期費用が高いものばかりで、スマホで使えるものがなかったので当法人のニーズと一致せずにケアコラボの導入を決めました。
費用の心配はケアコラボさんを信頼して、押し切った感じはありますが、現場からの評価もよかったので難なく進んだ印象でした。
今のところケアコラボさんから値上げだったり、あとからの請求はないので安心しています。
― その他導入にあたっての課題はありましたか?
ICTの導入が進んでいなかったので、WiFi環境の整備やスマホの調達に悩みました。
ただそのあたりも相談したらすぐにおすすめの端末などを教えていただけたので、すぐに通販で購入しました。
あとは「またやることが増えるんじゃないか?」と心配する職員もいましたが、そういった意見を言っていた人ほどケアコラボを活用している印象です。
なんならわたしも知らなかった機能を使いこなして、逆に教えてくれるくらいです。
一人だけ普段からガラケーを使っていて操作が分からないという方もいましたが、ケアコラボの導入をきっかけに個人のガラケーがスマホに変わっていました。
朝礼、夕礼をなくしてしまうという判断と、現場に起きたケアの変化
― ケアコラボを導入して、現場の情報共有に変化はありましたでしょうか?
2019年にケアコラボを導入していたのですが、そのあとにコロナ禍がきました。
どういう対応をすべきか右往左往している状況で、まずは職員の同事業所内のフロア移動を減らすことにしたんですよね。
そうすると朝礼、夕礼で全員が集まることができません。どうするか悩んだ結果いっそのこと朝礼と夕礼をなくして、記録や申し送りをすべてケアコラボで確認し、コメントを入れるようにしたんです。
これはやってみると意外にもすんなりと回りましたね。朝礼、夕礼をなくしても困ることがなかったので、コロナが落ち着いた後も引き続きケアコラボ上で情報共有をしています。
毎朝、毎夕に6人程度が参加し、15分ほどかかっていました。月間にすると施設全体で90時間の時間削減につながっているので、かなり大きいですよね。
これまでの朝礼や夕礼の時間は、お風呂の準備や排泄の介助にあてることができています。
ケアコラボで「読んだよ」というリアクションが押せるのは、管理者目線で非常に助かっていますね。
読んだのにできてない、読んでいないといった人に適切な声掛けができます。
― 記録に関してはいかがでしょうか?
現場からは特に記録に写真を添付できる機能が評判です。
写真付きの記録をご利用者に見せてるシーンも見かけるので、ケア自体にも変化が見られています。
ご家族への情報共有にはLINE公式アカウントを利用しているのですが、ケアコラボに添付した写真を活用しています。
― その他に活用されている機能はありますか?
ご利用者の予定を登録しておくと、拠点全員分を確認できる「みんなの予定」ですね。
小多機では、通所の予定が訪問に変わることや、受診がなくなることがよくあります。
その場合でもご利用者個人の予定を変更しておけば、全員分をまとめて確認できるので、たいへん重宝しています。
― ケアコラボを導入した評価を教えてください。
ケアのバリエーションが増えたように感じます。特に看取りの部分でそう感じますね。
ケアコラボを導入して約1年後から看取り介護の実践を始めました。
在宅医療に切り替えたのですが、とてもケアコラボが役に立ってるんですよね。
あと数日で亡くなってしまう状況でも、ご家族が来訪されたタイミングで具体的な記録をお見せすることができます。
また在宅医にもアカウントを付与し、リアルタイムで記録を共有しています。記録に対してアドバイスのコメントをいただけるため、看取りの実践には欠かせないものとなりました。
施設長などが現場を離れていてもケアコラボはどこからでも使えますし、コメントを入れることでお互い安心できます。
食事量が減っていることもグラフで確認できますし、ご家族にも説明がしやすいです。
今では9割以上の方を当施設でお看取りしていますが、ケアコラボがあったからこそできたことだと思っています。
また残業が目に見えて減ったこともとてもいいと思っています。
今まではまとめてご利用者全員分の紙に記録するので、どうしても退勤前しか記録の時間が取れませんでした。
用紙に誰かが書いているのを待つといったこともなくなっています。
スマホでスキマ時間を活用して記録しているおかげで、最後にまとまった時間を取ることがなく現場の負担が少なくなっているようです。
コミュニケーションの量が増えることで、よりよい人間関係の構築へ
― その他予想外だった導入効果はありますでしょうか?
まずは管理職と現場の距離が縮まったように感じます。
ケアコラボは記録だけでなく、コメントを残すこともできるので、コミュニケーションの量が増えました。
顔を合わせて話すことも重要ですが、どうしても負担となりますし、テキストでのコミュニケーションをメインにすることは今の若い人たちには向いているかも知れません。
また当施設に技能実習生の方がいるのですが、音声入力を活用しています。やはり文字の入力はむずかしくても、話すことはかんたんなようですね。
他の施設ではケアコラボ以外で記録していますが、そういった機能がないので記録の質が全然違いますね。
細かいポイントですが、ご利用者の写真や名前のふりがながあるのもいいですね。
顔と名前が一致しやすくなり、新入職員が現場に馴染むスピードが上がったように感じます。
― これから導入を検討をされている方にアドバイスはありますでしょうか?
ケアコラボは操作性がよく、うちのようにICTの活用に前向きでなかった施設でも、かんたんにすぐに使うことができます。
当法人のように「そもそも朝礼、夕礼は必要か?」など、業務の見直しのきっかけにもなるので、ぜひとも積極的に導入を進めてみてはいかがでしょうか。
記録システムはたくさんありますが、シンプルな機能を手頃な価格で利用したい方はケアコラボしかないと思います。
あとは初期費用が本当にゼロなので、ご安心いただければと思います。笑
サポートも万全だと感じています。分からないことはケアコラボ内のチャットで質問すればすぐ返答が来ますし、改善の要望に対しても真摯に向き合ってくれています。
― 今後ケアコラボを使っていく展望や、ケアコラボ社に対するご意見があれば教えてください。
ご家族との関係性をよりオープンなものにしていきたいので、できればご家族機能を使って、記録の公開を進めていきたいですね。
また今のシステムはとてもシンプルで使いやすいので、あれこれと機能を追加することなく使いやすいシステムであり続けてほしいと思います。