シリーズケアコラボの視点
支援の質を高めるサービス提供記録の書き方|実績記録票との違いも解説
こんにちは!介護・障がい福祉現場の「記録」を、チームの成長やご家族との信頼に変えるケア記録ソフト「ケアコラボ」の佐藤です。
放課後等デイサービスや就労支援、グループホームなどの障がい福祉分野で働く皆さま、「サービス提供記録」の書き方や「実績記録票」との違いに悩んでいませんか?「実地指導で指摘されないか不安…」「毎日同じような内容になってしまう…」という声もよく耳にします。
「サービス提供記録」とは障害福祉サービスにおいて作成が義務付けられている記録であり、法令上は「サービスの提供日、内容その他必要な事項」を記録するものと定められています。
本記事では、記録の法的な位置づけから、運営指導でも評価される正しい書き方、サービス種別ごとの具体的な文例までを解説します。記録を単なる「事務作業」として終わらせず、チームの支援力を高める「資産」に変えていくためのヒントになれば幸いです。
障害福祉における「サービス提供記録(支援記録・ケース記録)」とは?法的定義と重要な役割
サービス提供記録の概要と障害者総合支援法における位置づけ
サービス提供記録(支援記録・ケース記録)とは、障害福祉サービスにおいて作成が義務付けられている記録であり、法令上は「サービスの提供日、内容その他必要な事項」を記録するものと定められています(運営基準第19条等)。
これは障害者総合支援法に基づく運営基準に含まれており、事業所が適切なサービスを提供しているかを判断する重要書類です。単なる業務日誌ではなく、公的な証拠能力を持つ法的文書であることを認識し、正確に作成・管理する必要があります。
役割①:個別支援計画と日々の支援をつなぐ「実践の記録」
サービス提供記録の最も重要な役割は、個別支援計画に基づいた支援が実際に現場で行われていることを証明することです。
計画書にどれほど立派な目標を掲げていても、日々の記録にその実践過程が記されていなければ、計画が形だけのものとみなされかねません。計画書に記載されている長期・短期目標に対して、どのようなアプローチを行い、結果としてご利用者はどんな反応だったのかのプロセスを具体的に記録することで、個別支援計画と現場職員の支援が連動していることを担保する役割を果たします。
役割②:職員間での情報共有とチームアプローチの促進
シフト制の勤務や非常勤職員、複数のサービスを利用のご利用者が多い障害福祉の現場において、記録は「時間や事業所を超えた申し送り」の機能を果たします。口頭での伝達では抜け落ちやすい情報や、日中のご利用者の細かな変化を記録に残すことで、夜勤者や翌日の担当者、別の事業所の職員がスムーズに支援を引き継ぐことができます。
記録はチーム全員が同じ方向を向いて支援するための共通の認識としての役割を担っています。
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役割③:ご利用者・ご家族への報告および信頼関係の構築
記録は事業所内部のためだけのものではなく、ご利用者やご家族に対して「どのような支援を行い、どのような時間を過ごしたか」を報告するためのツールでもあります。特に意思表示が難しいご利用者の場合、ご家族は現場での様子を知る方法がありません。具体的で丁寧な記録を開示・報告することで、日々の支援内容が可視化され、事業所への安心感と信頼感につながります。
記録を通じてご家族と情報を共有することは、ご家族と事業所が協力してご利用者を支える協力体制の基盤となります。
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混乱しやすい「サービス提供記録(支援記録・ケース記録)」と「サービス提供実績記録票」の違い
「サービス提供記録」は支援のため、「実績記録票」は請求のため
この二つの記録は名称が似ていますが、目的が根本的に異なります。「サービス提供記録(支援記録・ケース記録)」は、ご利用者の状態の変化や支援内容の詳細を記述し、支援の質を高めることを目的とした記録です。対して「サービス提供実績記録票」は、いつ、誰に、どのサービスを何時間提供したかという事実を証明し、国保連(国民健康保険団体連合会)への請求の元になる記録です。
| サービス提供記録 | サービス提供実績記録票 | |
| 主な目的 | 支援の質の向上 | 国保連への請求 |
| 記録する内容 | プロセス・気づき・判断 | 事実・結果 |
| 求められる視点 | 専門的・主観的 | 客観的・事実のみ |
| 主な連携先 | 職員、チーム、ご家族、実地指導員 | 国保連、行政、実地指導員 |
| 必須項目 | 日付、時間、様子、支援内容など | 日付、開始・終了時間、加算、確認印 |
サービス提供記録(支援記録・ケース記録):日々の「気づき・判断・工夫」を残す
支援記録に求められるのは、客観的事実に加え、現場職員の専門性に基づく「判断・工夫」も記入することです。単に出来事のみを記載するのではなく、関わった職員が何を感じたかという「気づき」、その状況をどう捉えたかという「判断」、そして具体的にどのような支援を行ったかという「工夫」や「プロセス」を記述します。例えば「不穏だった」で終わらせず、「なぜそう判断したか」「どう工夫して落ち着きを取り戻したか」を残すことで、記録は単なる報告からチームの財産へと変わります。
サービス提供実績記録票:サービスの「実施事実」を残す
実績記録票は、請求の根拠となる重要書類であり、客観的な事実が求められます。具体的には、サービス提供の年月日、開始・終了時間、提供したサービスの内容(送迎の有無や食事提供など)を正確に記載します。ここには主観的な感想や支援のプロセスを書く余地はなく、計画通りにサービスが提供されたかどうかの「結果」を記録します。また、ご利用者や家族からの確認印(または署名)をもらうことで、サービス提供の事実を相互に確認した証明となります。
運営を支える「実績記録票」と支援を支える「サービス提供記録」はどちらも不可欠
事業所の健全な運営には、請求業務を正しく行うための「実績の記録」と、支援の質を向上させるための「支援の記録」の両方が欠かせません。実績の記録(サービス提供実績記録票)が正確でなければ運営指導で報酬返還のリスクがあり、支援の記録(サービス提供記録)が希薄であればご利用者の支援の質の向上は見込めません。重要なのは、これらを混同せず、それぞれの役割をしっかりと理解することです。
| サービス提供記録(支援記録・ケース記録)的な記録の書き方 | 実績記録的な記録の書き方 |
|---|---|
| 学校へお迎えの時、表情が硬く涙目だった。担任より「体育で転んで悔しかったようだ」と申し送りあり。車内でとなりに座り、怪我がないことを確認して安心させる声かけを行った。到着時には笑顔が見られた。 | 2025年X月X日 15:00 送迎(学校→事業所) |
| 集中力が続かず、開始15分で離席が見られた。部品の配置が複雑で混乱しているのでは、と判断し、トレーを使って配置を整理することをご提案。その後は手順が明確になり、45分間集中して作業に取り組めた。 | 2025年X月X日 10:00〜12:00 生産活動 |
| 昼食時、唐揚げに箸が進まない様子だった。サイズが大きく食べづらいのではないかと推測し、キッチンバサミで一口大にカットして提供したところ、スムーズに完食された。提供形態の見直しを要検討。 | 2025年X月X日 12:00 昼食提供 主食:全量、副食:全量 |
| 2時の巡回時、中途覚醒し布団の中で動いている様子あり。室温を確認すると少し暑かったため、空調を26度から25度へ調整。その後、穏やかな寝息を確認した。睡眠環境の微調整が有効。 | 2025年X月X日 2:00 巡回・安否確認 |
| 集団活動に参加せず、部屋の隅におられた。大きな音が苦手なAさんには刺激が強いのではと推測。パーテーションで仕切った静かなスペースを用意し、個別に材料を渡したところ、集中して創作に取り組めた。 | 2025年X月X日 14:00〜15:00 創作活動(カレンダー作り)参加 |
支援の質を高めるサービス提供記録の書き方
支援に至った「背景」や「プロセス」を省略せずに書く
実地指導では「結果」だけでなく、そこに至る「過程」が記録されているかが重視されます。例えば「パニックがあったため対応した」という記述だけではなく、「どのような環境で(背景)、何がきっかけとなり(要因)、職員がどう判断して介入し(プロセス)、その結果どうなったか(結末)」までを書くことをおすすめします。プロセスが省略された記録は、適切な支援が行われたかの検証ができず、場合によっては不適切な身体拘束や虐待を疑われる原因にもなりかねません。
「事実(観察したこと)」と「考察(考えたこと)」を分けて書く
記録の信頼性を高めるためには、客観的な「事実」と、職員の主観的な「考察」を分けることをおすすめします。「Aさんは楽しそうだった」と書くと主観ですが、「Aさんは笑顔で歌を歌っていた(事実)。そのため楽しんでいると思われた(考察)」と書けば、読み手は状況を正確に把握できます。事実と推測を混同して書くと、職員の思い込みが事実として一人歩きし、誤ったアセスメントや対応につながる危険性があります。
個別支援計画の「短期目標」に沿った支援内容を書く
日々の記録は、個別支援計画の進行状況を確認するものでなければなりません。計画書の短期目標に「他者との交流を深める」とあるならば、記録には「他利用者への挨拶ができたか」「集団活動に参加したか」といった関連するエピソードを盛り込むのが良いでしょう。計画と記録の内容に整合性がない場合、実地指導において「計画に基づいた支援が行われていない」とみなされ、減算や指導の対象となる可能性があります。常に計画書を意識した視点で記録を残すことが大切です。
「特変なし」はNG!小さな変化や予兆を具体化する
「特変なし」という言葉は、思考停止の証拠とみなされることがあります。障害福祉の現場において、ご利用者の一日は決して同じではありません。体調、表情、食事量、活動への意欲など、微細な変化は必ず存在します。「特変なし」と書く代わりに、「いつもより入室時の挨拶が声小さめだった」「昼食を5分早く完食された」など、具体的な観察事実を記載するのがおすすめです。こうした小さな変化の記録の積み重ねが、体調不良の早期発見や行動障害の予兆を捉えるための貴重なデータとなります。
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専門用語を使いすぎず、誰が読んでもわかる表現にする
記録は多職種やご家族、行政職員など、様々な立場の人が読みます。現場だけで通じる略語や過度に専門的な用語の多用は避け、誰が読んでも意味が通じる表現を心がけましょう。どうしても専門用語を使用する場合は、必要に応じて補足説明を加えるか、チーム内で用語の定義を統一しておくことが重要です。誤解を生まない明確な文章は、情報共有のミスを防ぐだけでなく、事故発生時などの証拠資料としての価値も高めます。
ご利用者やご家族が読んでも不快にならない表現を心がける
記録は開示を求められる可能性がある文書です。そのため、ご利用者の尊厳を傷つけるような表現や、上から目線の記述は絶対に避けるのが良いでしょう。「〜させる」「問題行動が多い」「わがままを言う」といった否定的な言葉ではなく、「〜の支援を実施する」「自己主張が見られた」といった客観的かつ肯定的な表現を意識するのがおすすめです。ご利用者やご家族がその記録を読んだときに、大切にされていると感じられるような、敬意を持った記述を徹底してください。
【サービス種別・文例】放課後等デイサービス・就労B型・生活介護・GHの記入例
児童福祉:放課後等デイサービス・児童発達支援でのサービス提供記録の書き方
児童分野では、発達段階に応じた「できたこと」や「課題」へのアプローチを中心に記録します。活動における参加時の様子、友達との関わり方などを具体的に記述します。「宿題をした」だけでなく、「計算問題でつまずいたため、図を用いて説明すると理解できた」といった支援の工夫を書くのがポイントです。また、送迎時の保護者との会話内容や、学校での様子などの情報も重要な記録事項となります。
| リズムあそびの際、部屋の隅で参加をためらっていた。動きが複雑で「失敗したくない」という不安を感じていると考え、まずは「手拍子だけ」参加するよう誘った。後半は輪に入ってみんなと一緒に体を動かすことができた。 |
| おやつの際、種類が多くどれを選んでいいか迷い、固まってしまった。選択肢が多く混乱していると判断し、2つのお菓子を見せて「どっちがいい?」と提示する形をとった。すぐに指差しで選ぶことができ、笑顔で食べていた。 |
障害福祉:就労継続支援A型・B型でのサービス提供記録の書き方
就労支援では、作業能力の向上や一般就労に向けた課題克服のプロセスが中心となります。作業の正確性、持続力、報告・連絡・相談ができるかといった職業スキルの評価に加え、対人関係や身だしなみなどの生活面についても記録します。「作業を頑張った」といった抽象的な表現ではなく、「部品の検品を1時間で100個実施し、ミスは1個だった」など、数値も用いながら、客観的に進捗を記録することもおすすめです。
| 資材が不足しても自分から言えず、困っておられた。「報告する」というハードルが高いのではと判断し、不足を知らせる「カード」を渡すだけの方法を提案した。カード提示ですぐに対応でき、作業が滞りなく進んだ。 |
| 入口付近の席で、人の出入りが気になっていたのか手が止まっていた。外部の刺激により集中が阻害されていると考え、壁に向かう席へ配置を変更した。その後作業に集中され、目標数を達成できた。 |
障害福祉:生活介護でのサービス提供記録の書き方
生活介護では、排泄・食事・入浴などの支援内容に加え、日中活動における情緒の安定や楽しみの提供について記録します。特に重度障害の方の場合、バイタルサインや顔色、排泄物の形状といった身体状況の観察の記録が、健康管理上非常に重要になります。また、創作活動やレクリエーションの時の反応(笑顔が見られた、視線が動いた等)を詳細に記し、QOL向上のための支援が行われていることを示します。
| お茶の提供を拒否され、摂取量が不足していた。味や温度に飽きている可能性を考え、少し温めたスポーツドリンクに変更して提供した。「これなら飲める」と好んで飲まれ、必要量を摂取することができた。 |
| 車椅子への移乗時、体に力が入り強張っておられた。緊張からくる反射と判断し、急に動かさず「まずは足を床につけましょう」と一つずつ動作を伝えながらゆっくり触れた。緊張がほぐれ、スムーズ移乗できた。 |
障害福祉:グループホーム(共同生活援助)でのサービス提供記録の書き方
グループホームは「生活の場」であるため、夜間や休日の様子を含めた生活全般を記録します。服薬管理、金銭管理、掃除や洗濯の自立度、他の入居者とのトラブルの有無などが主な項目です。特に夜間の巡回記録や睡眠状況、帰宅後の表情の変化などは、日中のサービス事業所では見えない情報であり、連携のために重要です。地域生活を継続するための課題や、自立に向けた本人の意向なども丁寧に拾い上げて記録します。
| 深夜2時に覚醒し、廊下を歩き回っておられた。居室が寒く寝付けなかったようだと推測し、電気毛布の設定温度を調整し、温かいお茶を提供した。体が温まったことで安心されたのか、その後は朝まで入眠された。 |
| リビングで他のご利用者のテレビの音量について言い争いになりかけた。職員が介入し、一旦距離を取るようそれぞれの居室へ促した。冷静になってから話し合いの場を設け、音量のルールを再確認することで解決した。 |
ヒヤリハットや事故が発生した際の記録の書き方と連携
事故やヒヤリハットが発生した際は、通常の記録とは別に、発生日時、場所、状況、原因、対応内容を5W1Hで詳細に記録します。特に「なぜ起きたか(原因)」と「再発防止策」は必須です。この記録は事故報告書作成の元データとなるため、主観を排して事実を時系列で正確に記述します。また、記録に残すだけでなく、速やかに管理者や関係機関へ報告・連携を行ったことも併せて記載し、組織として対応したことを証明する必要があります。
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サービス提供記録でやってはいけない!よくあるNG例とトラブル防止策
NG例①:事実と異なる虚偽の記載や時間の改ざん
実際には行っていないサービスを行ったように書く、提供時間を水増しして記録するなどの行為は、不正請求に直結する重大なコンプライアンス違反です。これは単なる記録ミスではなく、詐欺罪や指定取り消し処分に問われる可能性があります。また、職員配置基準を満たすために勤務時間を偽って記録することも同様に厳禁です。記録は常に事実に基づいて作成されるべきであり、いかなる理由があっても虚偽の記載は許されません。
NG例②:数日分をまとめて書く「まとめ書き」
忙しさを理由に、週末や月末に数日分の記録をまとめて書く「まとめ書き」は推奨されません。人間の記憶は時間とともに曖昧になり、正確な事実を再現することが困難になるためです。結果として内容が画一的になったり、重要な変化を見落としたりする原因になります。実地指導においても、筆跡やペンのインクが全て同じであることからまとめ書きを疑われ、記録の信憑性を否定されるケースがあります。
NG例③:連日同じ内容が続く「コピペ」のような記録
毎日「変わりなし」「作業に集中していた」といった全く同じ文章が並ぶ記録は、実質的に何も記録していないのと同じです。ご利用者の状態は日々変化しており、全く同じ一日は存在しません。コピペのような記録は「ご利用者を見ていない」「支援を放棄している」と判断される恐れがあるため、必ずその日固有のエピソードを含めるようにしましょう。
NG例④:ご利用者への批判的・感情的な言葉遣い
「わがままばかり言う」「何度言っても理解しない」といった職員の感情が含まれた批判的な記述は、記録として不適切です。記録はあくまで専門職としての客観的な観察と、それを根拠にした判断が記載されているべきものです。感情的な記述は、読み手である他の職員に誤った思い込みを抱かせ、不適切な支援を誘発する可能性につながります。また、虐待防止の観点からも、ご利用者に対するネガティブな決めつけは避け、行動の背景にある要因を分析する視点で記述する必要があります。
NG例⑤:「様子を見る」「適切に対応した」等の具体性のない曖昧な表現
「様子を見る」や「適切に対応した」は、非常に便利な言葉ですが、記録としては具体性を欠いています。「様子を見る」とは具体的に何を観察するのか、「適切に対応した」とは具体的にどのような処置を行ったのかが書かれていなければ、情報の共有も検証もできません。曖昧な表現は事故発生時の責任の所在を不明確にするリスクもあるため、「〜が見られないか10分おきに確認する」「〜と声をかけ、別室へ誘導した」のように具体的に書きましょう。
NG例⑥:利用者への批判的・感情的な言葉遣い
記録は将来的にご本人やご家族、あるいは裁判所などに開示される可能性があります。その際、侮蔑的あるいは攻撃的な表現が含まれていると、事業所としての品格を疑われるだけでなく、訴訟リスクを高めることにもなります。「大声を上げた」という事実だけでなく、「不安を訴えるように大きな声を出されていた」など、利用者の心情に寄り添った表現を選ぶことは、事業所と職員自身を守るためのリスクマネジメントでもあります。
| よくあるNG表現 | 推奨されるOK表現 |
| 様子を見る | ・10分おきに呼吸状態と顔色を確認する ・離れた場所から見守りを行う |
| 適切に対応した | ・別室へ誘導し、落ち着くまで隣で寄り添った ・冷却枕を使用し、水分補給を促した |
| わがままを言う | ・自身の要求が通らない際に、大声を出された ・こだわりが強く、手順の変更に抵抗感を示された |
| 特変なし | ・入室時の挨拶がいつもより元気だった ・完食までの時間がいつもより5分早かった |
| 楽しそうだった | ・笑顔で大きな声で歌っておられた ・「またやりたい」と発言があった |
現場の「気づき」がチームの財産になる。記録を「事務作業」から「チームの知恵」へ
「請求のための記録」と「支援のための記録」はどちらも重要であり、目的が異なる
「請求のための記録」は事業継続のための請求業務を行う、とても大切な事務処理ですが、「支援のための記録」は支援の質を高めるためのクリエイティブな活動です。これらを「面倒な書類仕事」とひとまとめにするのではなく、請求のための記録は効率的にミスなく処理し、支援のための記録には専門性を持ったプロの現場職員としての情熱を注ぐというように、意識の中で明確に役割を分けることがとても大切です。
サービス提供記録(支援記録)には「観察・判断・工夫」という「実践知」が詰まっている
支援記録に書かれるべきは、単なる作業報告ではありません。そこには、現場職員が五感を使って感じ取った「観察」、専門知識に基づいて考えた「判断」、そしてその場で行った「工夫」が凝縮されています。これらはマニュアルには載っていない、現場でしか生まれない貴重な「実践知」です。記録を書くという行為は、自分自身の支援を振り返り、この実践知を確かなものにするためのプロセスでもあります。
書くことで「暗黙知」を言語化し、読むことでチームに「知恵」が伝わる
ベテラン職員の優れた支援は、しばしば「勘」や「コツ」といった暗黙知の中に隠れています。記録は、この見えにくい暗黙知を言語化(形式知化)し、チーム全体で共有するための手段になります。誰かが書いた詳細な記録を他の職員が読むことで、「そういう対応があったのか」という学びが生まれ、チーム全体のスキルアップにつながります。記録を通じて知恵が循環することで、組織としての支援の質は飛躍的に向上します。
チームの学びと成長を促進するシステム ケアコラボの活用
請求業務をスムーズに実施するために請求ソフトがあるのと同様に、支援の質を高めるためには「支援のための記録システム」が重要です。両者は役割が異なるため、目的に合ったツールを使い分ける視点が大切です。「ケアコラボ」は、日々の気づきをタイムライン形式で手軽に共有でき、写真や動画を用いることで文章では伝わりにくい「日々の様子」も直感的に共有できます。

まとめ
本記事では、障害福祉現場における「サービス提供記録」と「実績記録票」の役割の違いから、具体的な書き方や文例について解説しました。
サービス提供記録は、単なる「実施の証拠」ではありません。日々の支援の中で生まれた「観察・判断・工夫」などの貴重な実践知を残す、チームの大切な財産です。
請求のための「サービス提供実績記録票」と、支援のための「サービス提供記録(支援記録・ケース記録)」。この二つをそれぞれの目的に沿った形で残していくことが、健全な運営と質の高い支援につながると信じています。
私たちケアコラボは、そんな現場の「気づき」をかんたんに共有し、チームの知恵として育て、支援の質の向上を支える記録ソフトです。「記録業務を効率化したい」だけでなく、「もっと良い支援をチームで提供したい」とお考えの皆さま、ぜひ一度ケアコラボにお問合せくださいませ。
