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活用事例

シリーズ活用事例

「なんか介護っていいよなぁ」と思う瞬間を共有し、介護記録に楽しさを

岡部 拓哉
ライフの学校荻の風サテライトの職員の写真

社会福祉法人 ライフの学校

仙台市若林区で特別養護老人ホーム・地域密着型特別養護老人ホーム・デイサービス・居宅介護支援事業所を運営。
職員数は約90名。社会福祉法人の枠にとらわれない柔軟な経営と、ご利用者様も職員も楽しいと思える環境と職場づくりを行っている。

地域密着型特別養護老人ホーム 萩の風サテライト 管理者 菅原 篤人様

ご利用者の生活が見える記録システムを探して

ーケアコラボ導入前は別の記録システムを使われていましたね。

請求に付随した記録のシステムも導入していました。パソコンからしか使えず、記録待ちの行列が残業に繋がっていました。また、記録中にご利用者さんに声をかけられても、手を離せないので、パソコンの前に座ったまま返事するのが気になっていましたね。

ー業務的な目線以外でも課題はありましたか?

私がもっとも課題に感じていたのは、ケア記録からご利用者の生活が見えてこないということでした。皆さん違う生活をしているはずなのに、定型文の機能を使った同じ記録ばかりが並んでいました。「特に変わりなく休まれている」「ご自宅へ送迎を行う」という記録では、どんな介護をして、どういう反応をされたのか見えてきません。最初は詳しく書いてくれていたのですが、手間削減だけを狙った定型文機能の存在で、記録の質が下がってしまったように感じでいました。

当法人では外出が多く、よくご利用者さんと外部のイベントを楽しんでいますが、付き添ったスタッフはいい表情や感動した姿を知っているし、感謝のお言葉もいただけます。しかし、他のスタッフは記録に残された「外出で〇〇に行かれる」という文字しか目にせず、もったいなさを感じていました。

ーちなみに、記録はシステムだけで完結していましたか?

実は大量の紙がありました。PCは一人ずつしか利用できないため、忘れないための記録メモがありました。またフェースシートやバイタルなどは紙と二重管理になって困ってましたね。さらに紙に書かれたものは後から参照する際にとても不便でした

ーそれらの課題はいつごろから意識されていましたか?

前の職場に勤めていた10年以上前から違和感を持っていました。なんでこんなに記録業務ってめんどくさくて楽しくないんだろうと…

ライフの学校の職員さんがお話をしている写真

介護記録に楽しさを

ーそんな中でケアコラボを知ったきっかけは?

2018年1月オープンのサテライト(地域密着型特養)開設に伴って、「新施設の記録形態はどうしよう?」と考えました。従来のシステムは使いたくなかったので、インターネットで「介護記録 システム 楽しい」で検索してケアコラボを見つけました。他にも大手のシステムを3つほど知っていたのですが、「楽しい記録」という基準を満たすものはなく、従来のシステムと変わりがないと感じていました。

ーその後すぐにケアコラボにお問い合わせいただきましたね

偶然、同時期に施設長が薪事業に興味を抱いており、調べているうちに福祉楽団さんにたどりつきました。福祉楽団さんはケアコラボのWebサイトに導入法人として掲載されていたので、お話を伺いする機会を狙っておりました。施設長が東京で理事長の飯田さんにお会いした際に、「早くやるべきだ!」というアドバイスを受けて2018年1月スタートの予定が9月に早まりましたね(笑)その前日にはケアコラボの岡部さんにもお会いし、実機を見せていただいたので安心感もありました。

ー導入に際して比較検討はされましたか?

ケアコラボ以外に楽しそうなシステムはなかったので、特に影響を受けることはありませんでした。念の為価格の比較だけはしたいと思い、本体施設で導入しているシステム会社から見積りをいただきました。ケアコラボの方が低価格でしたが、シンプルで高機能かつ、ほとんどのスタッフが普段から利用しているiPhoneで統一したいと考えていたので、スマホ導入費が気になるポイントでした。当初の「楽しみながら記録する」という目標を達成するためには必要な経費ですが、Androidのスマホと比較するとやはり高価なので…

片手サイズがいいということでiPhone5sを購入しましたが、古い機種なので実際使ってみると電波が弱く、追加でiPhone8とAndroidも購入しました。さらに視認性の高いiPadも数台導入しています。

ライフの学校現場職員さんがスマホを操作する写真

日常のふとしたシーンにこそ介護の喜びがある

ー各自がスマホで記録できるようになったことで変化はありましたか?

先ほどもお話ししましたが、ご利用者との距離が近くなりました。記録中に声をかけられてもスマホを持ったまま伺えますし、記録のための待ち行列もなくなって、最近では残業理由に「記録」と申請されてたものは見かけなくなりました。一時的な紙へのメモもなくなり、フェースシートもケアコラボに集約されたのでペーパーレス化が大きく進みました。見学に来られた他事業所の方から「全然書類がないんですね」とよく驚かれます。

最もいい変化はリアルタイムでの情報共有が可能になったことです。

先日ご利用者と数万人規模の七夕祭りに外出したのですが、何十年かぶりかに姪っ子さんと出会う奇跡的なできごとがあったんですね。お互い涙しながら再会を喜び、記念撮影しました。この瞬間をスマホで撮れることだけでもすごいのですが、その写真をケアコラボにアップしていたので、施設に戻ってきたら職員みんなが「久しぶりに姪っ子さんと会えてよかったですね!」と声をかけてくれるんです。こんな経験から、以前よりもイベントなどでいい表情を撮ることがスタッフ自身の楽しみにもなっているようです。いい写真をみんなに共有するという楽しさは、言葉では説明しきれないものがあります。

あとは受診時に医師・看護師に写真を含めた記録を見せることで、より的確な指示をもらえるようにもなりました。

ーご利用者の生活が見えてこないという課題は解決されましたか?

仕草や表情など文章で伝えきれないものも、写真や動画だとリアルで鮮明に共有できます。介護やっててよかったなと思うのは本当に日常のふとしたシーンなのですが、これを記録して共有することが離職防止にも繋がっていくと感じます。

以前、職員が「おはようございます!」と挨拶したことに「おはよう」とご利用者が返してくれた何気ない動画がありました。実はご家族や一部の職員はこのご利用者さんはもう話すことができないと思っていたんです。この動画でご家族に涙ながらに喜んでいただけましたし、その後は面会でお声がけをしてくれることも増えました。職員も「この人本当は話せるんだ!」という認識することで今後の関わり方が変わってくると思います。

こういった「なんか介護っていいよなぁ」というシーンは瞬間的に訪れるため滅多に立ち会えず、現場では共有されにくいですが、ケアコラボで共有される体験が積み重なっていくとやっぱり辞められないなという気持ちになりますね

先日その方が亡くなったのですが、お通夜でエンドムービーを作成する際にケアコラボの写真をご家族と一緒に選びました。仙台は津波被害で写真が流された方も多く、こういった時にも活かせるのはICT(クラウドサービス)の利点ですね。

ライフの学校現場スタッフ2名が、スマホとタブレットを操作する写真

記録を通したつながりが育む安心感

ーケアコラボで職員間のコミュニケーションに変化はありましたか?

居酒屋というイベントを行っており、医師による健康管理の元で飲酒を楽しんでいただいてます。ケアコラボの人生録に昔は飲んでたんだよという方がちょっと酔うと本当にいい表情をされるんです。今では92歳にして毎日ビールを楽しむ方もいらっしゃいます(笑)こういった良い写真を共有すると、その記録に対してスタッフがいいね!を押します。いいね!を押されるとよりよい表情を撮りたくなって、その方をもっと知りたくなる。そうするとよいケアを提供できるようになります。やはり楽しいという感情が好循環を生んでいるのだと実感しますね。

ーいいね!以外のコミュニケーションはありますか?

ケアコラボは記録にコメントもできるので、指示とアドバイスが簡単にできます。現場の職員は誰かからアドバイスをもらいたいことが多いのですが、対面だと気を遣ってなかなか言えず、一人で悩んでしまうと離職にも発展する可能性があります。ケアコラボ上でのライトなコミュニケーションが増えたことで、いつも繋がっているという安心感が生まれたようです。

今までは会議で議論していたこともケアコラボ上のコメントで解決できることが多く、会議の時間が短くなりましたね。かなり業務効率化に繋がっています。

ライフの学校ご利用者がビールを飲んでいる写真

記録に寄せられる家族からの感謝の言葉

ースマホに不慣れな職員の方もいらっしゃいましたか?

ケアコラボ導入時にスマホを利用していないベテランの方が数名いました。今までは教える側だったのですが、逆に若手に教わるというシーンが見かけられましたね。「ケアコラボ・スマホ」という共通の話題ができたことで年齢の壁を越えて仲良くなっているシーンを見かけました。最近では誰が流行らせたのか、みんな音声入力を活用しています。

ーご家族へ記録を共有されてみていかがでしたか?

69名のご利用者のうち、すでに39名の方のご家族と共有しています。コメントを投稿してくれる方がかなり多く、中にはすべての記録にコメントをくれる方もいますね(笑)

どういう思いで介護しているのか、施設でどのような生活をしているのか伝わることで現場とご家族の距離がグッと縮まりました。面会時になかなか会えないご家族の方ともライトなコミュニケーションができますし、コメントでやり取りしている方だと実際お会いした時に話しやすいという効果もあります。

当初はどんなコメントが投稿されるかなとみんなでドキドキしてましたが、一番最初に頂いたのは、巡回時の「今は静かにお休みになられています」という日常の記録に対して「見回りしていただいてありがとうございます」というコメントでした。やはりご家族からの感謝の言葉はとても嬉しいですし、もっと頑張ろう!という気持ちにさせてもらえます。ケアコラボの一番いいところはこの家族機能だと私は思っていますね。

ライフの学校スタッフさんとケアコラボスタッフがオンラインで会議をするスクリーンショット

オンライン活用による圧倒的なスピード感

ーケアコラボ社とのコミュニケーションはいかがでしょうか?

法人内で記録部会というものを開催しており、そこでケアコラボに対する意見がいくつか出ます。ケアコラボは毎月オンラインでユーザー会を開催しており、他法人も含めて意見交換をしていますので、そこに持ち込みます。ユーザ会での議論を元に毎週機能が改善されています。今まで色んなシステムを利用しましたが、開発会社に直接意見を伝えれる経験はありませんでした。

ケアコラボ社は営業訪問がほとんどない会社ですが、テレビ会議での面談は時間の調整がしやすいので、逆にフォロー体制が厚いと感じています。導入を決めてからもオンラインでの説明会などを短期間に何度も開催できたので、職員が使いこなすまでのスピードが圧倒的でした。

ーシステム移行にあたって工夫したことはありますか?

以前のシステムを基準にせず、「楽しくやることを意識しよう!」と考え方の軸に切り替えたことですね。「絵文字・顔文字の記録はいいんですか?」という意見が出たときに「楽しいからいい!」と即決しましたね。足りないことは運用しながら補っていくようにしたのもよかったです。

ー逆に苦労したことはありますか?

楽しくやってきたのであまりないですが、強いて言うならWi-Fi環境を整えることでした。新しい施設を作る際に確認したところ、配線工事をしないといけないことが分かりました。建設時に作っておけば安くで済むのですが、一度建ててしまうと数百万円かかるということを知った時は焦りましたね…あと2日遅れていればアウトでしたが、なんとか間に合いました(笑)

あとは旧システムからの移行期間が1週間ほどあり、この間は両方に記録しなければいけなかったことですかね。システムの並行稼動期間をどれだけ短くできるかが重要です。

ーケアコラボへの期待や今後の挑戦は?

改善を繰り返していることもあり、もう記録システムの機能は完成されているのでは…と感じています。他システムと比べようもないくらい楽しいですし、不足はあまり感じていませんが、請求システムとケアコラボでご利用者情報が二元管理になっているのでそこが連携すればありがたいと思うくらいです。

今後はワードやエクセル、メール、ファイル管理をクラウド化するためにG Suiteを導入したいと考えています。社会福祉法人は無償で使えるようなので、ぜひともやってみたいと思います。


岡部 拓哉

2013年、医療関連の企業へ入社。営業職から企画・マーケティング部門へと転属。Webアプリの開発業務に携わる。2017年にケアコラボ社に入社。リモート営業を確立し、現在はマーケティングを担当。より多くの方にケアコラボのよさを届けるために試行錯誤を繰り返している。

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