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【9月分まとめ】2027年報酬改定ニュース

公開日: 2026/10/01


2027年報酬改定ニュース 10月号

 

10月になりました。改定率が決まる12月に向けて、審議会の議論がいよいよ「骨格づくり」の段階に入ってきた1か月でした。

今月号では、9月の動きのなかから特に押さえておきたい3つのトピックを取り上げ、「今月の動向レポート」「どのようなニュースなのか?」「事業所で準備しておきたいことリスト」「来月の注目ポイント」の順にまとめました。

※本文中の情報は、確定している事実と「案・検討中」の段階のものを分けて記載しています。審議会で提示された「案」はまだ決定事項ではありませんので、その点を意識して読んでいただけると幸いです。

◆ 今月のポイント

【1】介護:第268回 介護給付費分科会(9/30)で「基本的な視点(案)」が初提示
【2】障害福祉:第63回・第64回 検討チーム(9/24・9/28)で「適正化」が議論の軸に
【3】共通:ケアプランデータ連携システムが令和9年1月に移行。早めの利用登録を

1. 今月の動向レポート(2026年9月のまとめ)

9月は、長く続いた関係団体ヒアリングや意見交換会が一区切りし、審議会が「令和9年度改定で何を重視するか」という方向性を文書の形で示し始めた月でした。

介護分野では、9月10日〜16日にかけて3回シリーズの意見交換会(第265〜267回)が完了し、その流れを受けて9月30日の第268回介護給付費分科会で「令和9年度介護報酬改定に向けた基本的な視点(案)」が初めて提示されました。改定の「骨格」が5つの視点として1本の文書にまとまったことが、今月いちばんの出来事です。

障害福祉分野では、論点(案)を示す段階が終わり、サービス種別ごとの個別審議が始まりました。9月24日に訪問系(第63回)、9月28日に就労系(第64回)が審議され、「適正化(不適切な運営への対応)」が議論の軸として前面に出てきています。

あわせて、実務に直接関わる動きとして、ケアプランデータ連携システムが令和9年1月に新しいシステムへ移行する予定であること、そのために早めの利用登録が呼びかけられていることが明確になりました。

今月のホットトピックは、この3つです。

  • ① 令和9年度介護報酬改定の「基本的な視点(案)」が初提示されました
  • ② 障害福祉報酬改定は「適正化」が軸に。サービス種別ごとの審議がスタート
  • ③ ケアプランデータ連携システムが令和9年1月に移行。早めの利用登録の呼びかけ

2. どのようなニュースなのか?

① 介護:令和9年度介護報酬改定の「基本的な視点(案)」が初提示(第268回分科会)

▶ 厚労省ページで見る(第268回分科会)

9月30日の第268回介護給付費分科会で、改定の方向性を5つの視点に整理した「基本的な視点(案)」(全5頁)が示されました。5つの視点は次のとおりです。

  1. 物価・賃金の上昇等への対応と処遇改善(「他職種と遜色のない処遇改善」を掲げる)
  2. 人口減少・サービス需要の変化に応じたサービス提供体制の構築(「特定地域サービス」、中山間地域等加算の見直し、協働化)
  3. 地域包括ケアシステムの深化(医療・介護連携、認知症、権利擁護、LIFEの一層の活用による科学的介護の推進)
  4. 職場環境改善と生産性向上によるサービス質向上及び人材確保(「居宅系サービスも含めたAI等の介護テクノロジーの活用」「介護助手等へのタスクシフト/シェア」を明記)
  5. 制度の安定性・持続可能性の確保(報酬評価の適正化・重点化、報酬体系の整理・簡素化)

背景として示された数値では、令和7年度の介護事業経営概況調査で赤字事業者が約4割にのぼること、認知症高齢者が65歳以上の約3割であることが引用されています。令和9年度からは第10期介護保険事業計画期間が始まることも前提に置かれています。

ここで大切なのは、これはまだ「案」であり、分科会の了承を得た確定版ではないという点です。議事録や記者ブリーフィングも本稿作成時点では未公開で、委員がどこまで賛同しているかはこれから明らかになります。今の段階では「改定全体がどの方向を向いているか」を知っておく、という受け止め方で十分です。

② 障害福祉:報酬改定は「適正化」が軸に。サービス種別ごとの審議がスタート(第63回・第64回検討チーム)

▶ 厚労省ページで見る(障害福祉サービス等報酬改定検討チーム)

障害福祉報酬改定検討チームでは、論点(案)の提示段階が終わり、サービス種別ごとの個別審議に入りました。

  • 9月24日 第63回(訪問系サービス):居宅介護・重度訪問介護など5種別が審議され、居宅介護・重度訪問介護の双方で「同一建物等減算」が論点として挙がりました。いわゆる囲い込み対策が、障害分野でも減算という形で具体的に議論され始めています。
  • 9月28日 第64回(就労系サービス):9本の論点のうち5本(施設外就労・支給決定・ガイドライン・会計区分・情報公表)が「不適切な運営への対応」に集中しました。

令和9年度の障害福祉報酬改定が「適正化」を一つの軸として組み立てられつつあることが、一次資料からも読み取れます。

なお、業界メディアでは「就労継続支援B型の基本報酬へのスコア方式導入」「利用者の年間利用上限日数269日」といった具体的な報道も出ていますが、これらは厚労省の原典資料ではまだ確認がとれていません。確定情報として受け取るのは避け、今後の発表を待ちたいですね。

③ 共通:ケアプランデータ連携システムが令和9年1月に移行。早めの利用登録の呼びかけ

▶ 厚労省ページで見る(介護保険最新情報)

実務に直接関わる動きです。ケアプランデータ連携システムは、令和9年1月に新しい「介護WEBサービス」へ移行する予定です。移行後も継続して利用するには、介護WEBサービスへの利用登録が必要になります。

9月18日の介護保険最新情報vol.1544では、「可能な限り早期に利用登録を」と早期登録が呼びかけられました。利用登録は既に可能で、所要時間は数分とされています。現行システムは移行後、一定期間で稼働終了が予定されています。なお、利用料は移行後は負担なしになる予定です。

3つのトピックのうち、この件は「今すぐ動けること」が最も明確です。該当する事業所は、利用登録を早めに済ませておくと安心です。

3. 事業所で準備しておきたいことリスト

【凡例】 介護 障害福祉 共通 (関連ニュースは各項目末尾に記載)

今の段階でできる準備は、「確定した要件への対応」ではなく「情報の確認と社内の体制づくり」が中心です。チェックリストとしてご活用ください。

  • ☑ 共通「基本的な視点(案)」の5つの方向性に、ざっと目を通しましたか
    <関連:①第268回分科会>
  • ☑ 共通改定の方向性を、誰が確認して社内に共有するか決まっていますか
  • ☑ 共通2027年4月の施行に向けた社内の検討体制は決まっていますか
  • ☑ 共通自法人の主力サービスの収支状況を、改めて把握できていますか(赤字事業者が約4割という前提での議論です)
    <関連:①第268回分科会>
  • ☑ 介護生産性向上やAI・介護テクノロジーの活用は、視点④で重視されています。自法人の現状(導入実績・課題)を整理していますか
    <関連:①第268回分科会>
  • ☑ 介護LIFEの活用(視点③)が今後さらに求められる見込みです。データ提出の運用は安定していますか
    <関連:①第268回分科会>
  • ☑ 介護ケアプランデータ連携システムを使っている場合、介護WEBサービスへの利用登録は済みましたか(まだなら早めに)
    <関連:③ケアプランデータ連携システム移行>
  • ☑ 障害福祉就労系サービスの事業所は、施設外就労・支給決定・会計区分・情報公表まわりの運営実態を点検していますか(「適正化」が議論の軸です)
    <関連:②第64回検討チーム>
  • ☑ 障害福祉訪問系サービスの事業所は、同一建物内の利用者への提供状況を確認していますか(同一建物等減算が論点化しています)
    <関連:②第63回検討チーム>
  • ☑ 障害福祉10月5日の障害児支援の審議(第65回)に向けて、障害児通所・入所の事業所は論点を注視する準備ができていますか
    <関連:第65回検討チーム(10/5開催予定)>

※いずれも「今すぐ要件対応が必要」なものではありません。具体的な単位数や算定要件が見えてくるのは年明け以降の見込みです。今は現状把握と体制づくりの段階、という気持ちで進めていただければ大丈夫です。

4. 来月の注目ポイント

▶ 10月にウォッチしたいこと

  • 10月5日:第65回 障害福祉報酬改定検討チーム(障害児支援):訪問系・就労系に続く3回目のサービス種別別審議です。障害児通所・入所に関わる事業所は論点に注目を。資料と配信URLは当日9時45分までに厚労省サイトに掲載予定です。
  • 第268回「基本的な視点(案)」が確定版になるか:次回の分科会で、今回の「案」が確定版になるのかどうかが分岐点です。確定の動きがあれば改めてお伝えします。
  • 介護事業経営実態調査の結果(秋に報告見込み):2027年改定の利益率・収支差率の議論の根拠データになります。新しい収支差率が公表されれば、改定率の議論が一段と具体化します。
  • H.C.R.2026(国際福祉機器展)10月7日〜9日(東京ビッグサイト):介護テクノロジーや業務効率化の動向を直接見られる機会です。視点④の「生産性向上」の文脈とあわせて見ると参考になります。

具体的な単位数や算定要件が固まってくるのは、年明け以降です。確定した情報が出てきたタイミングで、改めて分かりやすくお伝えしていきます。

まずは「うちの法人は、改定の方向性のどこに関わるか」を確認するところから、一緒に一歩ずつ進めていきましょう。

来月もよろしくお願いいたします。

出典(主な一次情報)

確定度についての注記

  • 確定している事実:各会議の開催日・提示資料の存在、ケアプランデータ連携システムの移行時期(令和9年1月予定)・利用登録の必要性・利用料の変更、赤字事業者約4割などの引用数値。
  • まだ「案・検討中」の段階:「基本的な視点(案)」の内容そのもの(確定版ではない)、障害福祉の各論点の方向性、就労系B型のスコア方式・年間上限日数(二次情報のみで原典未確認)。

本記事は、社内で毎日更新している「2027年報酬改定 ニュース・動向ログ」をもとに作成しています。記載内容は作成時点の情報であり、今後の審議で変わる可能性があります。