楠本 純平

2025年11月27日、小規模多機能型居宅介護（小多機）および看護小規模多機能型居宅介護（看多機）の法人様を対象としたオンラインユーザー会「ラボCafe」を開催しました。

今回は「1dayシート（24時間シート）の活用」や「ケアコラボの新機能のご共有」をテーマに掲げつつ、日々の記録業務におけるリアルな悩みや工夫をざっくばらんに語り合う会となりました。

これからケアコラボを導入される法人様も「ラジオ参加」として加わり、先輩ユーザーの実践知を共有する温かい時間となりました。
本記事では、その模様をダイジェストでレポートします。

第1部：自己紹介とアイスブレイク

まずは、ケアコラボメンバーと、参加された法人様で自己紹介を行いました。今回のアイスブレイクのお題は「好きなお鍋の具材と味」。

「キムチ鍋」「豆乳鍋」「あんこう鍋（自宅で！）」など、地域色や家庭の味が出る話題で場が和みました。

【今回参加してくださった法人様】

• 合同会社 くらしラボ 様（青森県）
• 有限会社 あおい 様（宮城県）
• 株式会社 結快 様（北海道）
• 株式会社 あさひ 様（群馬県）

第2部：1dayシート（24時間シート）の活用術

ケアコラボの特徴的な機能の一つである「1dayシート」。
他法人様の事例として、「保険請求分は★（黒星）、自費分は☆（白星）とマークを変えて登録しておき、後から検索しやすくしている」といった活用術が紹介された後、参加者様の活用方法を行いました。

アセスメントとセットで考える（くらしラボ様）

くらしラボ様では、1dayシートを単なるスケジュール表ではなく、「アセスメントの結果を反映させる場所」として活用されています。

アセスメントをした上で、その人に必要な支援（排泄のタイミングや支援のポイントなど）を1dayシートに落とし込んでいます。記録時はそこからワンタッチで入力できるので、業務短縮にもなっています。

くらしラボ様

また、管理者の大前様からは「1dayシートによってご利用者の『自分でできること』に目を向けやすくなります。」という、開発の目的にも合致する素晴らしいコメントもいただきました。

第3部：意外な活用法！スタッフ同士の「人生録」

話題はケアコラボの「人生録」へ。
人生録はご利用者の生い立ちを記録する機能です。
ここで、くらしラボ様から飛び出したアイデアに、ケアコラボ一同「その手があったか！」と驚く場面がありました。

チームビルディングとしての人生録

なんと、ご利用者だけでなく「スタッフ全員の人生録」も作成されているとのこと！

スタッフ一人ひとりのページを作り、そこで自分の生い立ちや学生時代の部活などを「人生録」として公開しています。お互いの背景を知ることで、「スラムダンク好きなんですか？」といった共通の話題が生まれたり、チーム作りにつながっています。

くらしラボ様

これには他法人様からも「面白い！」「心理的ハードルを下げるのに良さそう」と賞賛の声が上がりました。

家族共有への心理的ハードル
（株式会社結快様 × 株式会社あおい様）

「ご家族への公開・連携を進めたいが、スタッフの心理的ハードルがある」という結快・黒澤様のお悩みに対し、あおい・佐々木様が経験談を共有してくださいました。

あおい様では、もともと紙の記録を複写して渡していたため、「記録を見られること」への抵抗は少なかったそうですが、デジタル化によって「ご家族からの声を全員で共有する仕組み」が生まれたといいます。

紙の記録だと、ご家族からの感謝の言葉も一部のスタッフしか見ることができませんでした。
しかしケアコラボなら、ご家族からの『ありがとう』のコメントが全員に通知されます。

担当以外のスタッフもそれを見て『あ、こういうケアをすると喜んでもらえるんだ』という気付きになったり、『自分もやってみよう！』というモチベーション向上にもつながっています。

あおい様

また、ログイン履歴（アクティビティ）で『見てくれているか』が分かるので、見ていない方には電話連絡を厚くするなど、対応の線引きにも役立っているそうです。

第4部：新機能と記録のリアル

会の後半では、ケアコラボのデザイン変更や、新機能「表形式ビュー」の紹介が行われました。
くらしラボ様では、早速この表形式を活用し、記録数の偏りから「入力漏れがないか」のチェックに役立てているそうです 。

Q&A：訪問と通いの記録、どう書き分ける？

終了間際に参加されたユーザー様からの、「1dayシートを活用してどのような記録を書いている？」「訪問と通いの記録の区別はどうしている？」という質問に対し、各社の運用がシェアされました。

• 株式会社結快様
  • 「特記事項があれば書く」というスタンスで、量は10秒で読める程度。それでもスタッフは真面目に書いてくれている。
  • 訪問と通いは、タイトルの【隅付き括弧】などのキーワードで区別している。
• 合同会社くらしラボ様
  • 基本は「写真ベース」。文章だと長くなるので、活動の様子を写真で撮って投稿し、視覚的に伝えている。
• 株式会社あおい様
  • 以前はキーワード検索だったが、検索ノイズを避けるため、現在はケアコラボ内の「チーム（部署）」自体を「訪問」「通い」「泊まり」で分けて作成している。
  • これにより、どのチームで書かれた記録かでサービス種別が自動的に判別できる運用に切り替えたとのこと（ケアコラボ側も想定していなかった高度な活用でした！）

おわりに

予定時間を少しオーバーするほど盛り上がった今回のラボCafe。

「1dayシート」や「人生録」といった機能が「ご利用者のご意向に沿ったケア」や「スタッフ間のチームビルディング」にまで活用されている実態を知ることができ、運営側としても非常に学びの多い時間となりました。

ご参加いただいた皆様、本当にありがとうございました！
次回のラボCafeでも、皆様にお会いできるのを楽しみにしています。