各事業所の主体性に委ねて、スモールスタート。記録・情報共有方法の改善でスピード感ある対応へ

ケアコラボは小規模多機能13事業所で利用中。職員数は600名。
- 非効率な紙・エクセルでの記録管理
- ご家族への記録共有に時間と手間がかかっていた
- 海外実習生にとって日本語の手書きはむずかしい
- スマホやタブレットを活用した記録の効率化
- 記録をご家族にリアルタイムで共有
- 海外実習生もスマホの変換を活用し、積極的な記録へ
非効率な紙での記録が業務の負担になっていた
― ケアコラボ導入前の記録について教えてください。
各事業所ごとにバラバラで、紙で記録を取るところもあれば、エクセルに入力する形で管理しているところもありました。
紙の記録の場合は、現場業務の合間にノートを探し、最新のページを開いて書く必要がありました。さらに家族向けの連絡ノートと施設用の記録を、それぞれ手書きで2つ作成していたことも時間がかかってしまっていた要因で、勤務時間内に書き終わらないことも多かったです。
急いでいると字が乱れてしまうこともありますし、読みづらいという課題もありました。
こうした状況が業務の負担になり、結果的に残業せざるを得ないケースが発生していました。
また、ご家族が記録を見るためには直接施設に来なければならず、とても非効率だと感じていました。記録を確認するために時間を割いてもらうのはご負担になりますし、必要な情報をもっとスムーズに共有できる仕組みが必要でした。さらにご家族にリアルタイムで記録を共有できれば、認識のズレを減らすことができると考えていました。
加えて、紙媒体は検索ができないため、例えば「転倒」の記録を探す場合、過去の記録をすべてめくって確認しなければなりませんでした。電子化された記録であれば、システム上でキーワードを検索すれば、該当の記録がすぐに表示されます。これは紙にはない大きなメリットです。
紙の記録はボールペン代や印刷代、保管スペースの確保など、コスト面の負担もかかります。記録の保管は5年間義務付けられていて、スペースの問題も大きいことなどから総合的に判断し電子化の必要性を感じていました。
― エクセルでの記録はどのような点に最も課題を感じていましたか?
エクセルで作成した表に記録を残していました。しかし、この方法では同時に記録できず、順番待ちが発生することもありました。
各事業所にパソコンが得意な人はおらず、長年にわたって不便さを感じながら非効率な運用を続けていました。「使いやすい記録ソフトがあればもっと便利になるのでは?」と考え社内のメンバーに話してみたところ、意見が一致しました。

― その他に抱えていた課題はありましたか?
時代のニーズの変化として、海外実習生の受け入れが必須になっていくと考えたとき、より強く、すぐにでも記録ソフトの導入を進めるべきだと感じました。
約50名いる海外の実習生にとって、手書きの記録は覚えづらい部分が多く、例えば「褥瘡(じょくそう)」のような難しい漢字を書くのは大変です。
実習生が早い段階で業務に慣れるためにも、記録の電子化は必要不可欠でした。実習生にとっての情報の可視化が進めば、よりスムーズな受け入れが可能になります。逆に、導入が遅れると時代の流れに取り残されてしまうと感じていました。
また、紙の記録は過去の記録を確認する機会が少なく、必要なときにすぐ取り出せないことから、みんなで共有しづらいという課題もありました。介護ソフトを導入すれば、見たいときにすぐアクセスできるため、情報共有と確認のしやすさも向上します。
― ケアコラボを初めて知った時の印象はどのようなものでしたか?
請求ソフトは法人本部が決めたものを使用していたので、記録に特化したソフトを探していました。
自分たちで探すのはたいへんな労力がかかるので、介護ソフトの比較プラットフォームの介護のコミミを活用しました。専任のアドバイザーに相談できるサービスを利用したのですが、何社かご紹介いただいたソフトのうちの一つがケアコラボです。
いくつか比較検討したのですが、必要最低限の機能とコスト面、操作性において最も適切だと感じました。

各事業所の主体性に委ねて進めた導入
― ケアコラボ導入の上申に際して、工夫されたことはありましたか?
介護のコミミを通じてケアコラボの担当者とつながってから、とてもスピーディーに話が進みました。約1~2ヶ月後には社長の決裁が通り、その2ヶ月後には3事業所でスモールスタートを開始しました。
元々社長にはソフト導入の話をしていたこともあり、「やりやすい方法があればそれで進めていく」というスタンスで、決定権を私たちに任せてくれました。
ケアコラボを提案したところ、「導入して、1年試してみてダメだったら見直せばいいじゃないか」という感じで、すぐに決まりました。
― 導入から1年で見直しどころか。4ヶ月で新たに4事業所を追加いただきましたが、それはどうしてですか?
最初から全事業所一斉に導入をスタートさせる方法もありましたが、各事業所には独自のルールや記録のやり方があるため、導入のハードルも異なります。そのため、各管理者の主体性と判断に任せて進めていきました。
まずは3事業所からスタートし、少しずつ使用感を事業所間で共有していきました。導入に前向きな事業所が徐々に増えていき、最終的には「もう全事業所で導入しよう」という雰囲気になりました。
今利用している13事業所のうち、私は1事業所も背中を押すことはありませんでした。自発的に「導入したい」と言ってきた事業所から順にケアコラボに相談し、導入を進めていきました。
必要であれば実際に見学に来てもらい、使用感を伝え、その後持ち帰ってもらう形で、少しずつ「うちもやってみたい」という社内の口コミが広がっていった感じです。

2分の動画を記録に活用。情報共有の質と量が改善
― ケアコラボを導入した決め手について教えてください。
決め手は大きく2点あり、まずはコスト面です。ケアコラボは職員1人あたり月額880円の利用料だけで、他社と比べて圧倒的に導入コストを抑えられる点が魅力でした。他社のソフトは導入費用だけで数百万円かかるケースもあり、高額すぎて検討するまでもなかったです。
初期費用は不要で、ご利用者ごとに課金されるものもありました。ご利用者数の増加は喜ばしいことなのにも関わらず、ソフトの利用料も増えると感覚的に受け入れがたくなってしまいます。小多機だとあまり利用されない方もいらっしゃるので、なおさら合わないなと思いました。
2点目は、汎用性の高さです。ケアコラボの導入当初はとてもシンプルな印象を受けたと同時に、使い方次第で幅広く活用できると感じました。現場の負担を軽減するためにも、シンプルで使いやすいものが必要でした。
ケアコラボはコストパフォーマンスと使いやすさを兼ね備えたベストな選択だったと感じています。
― ケアコラボを導入して、現場の情報共有に変化はありましたか?
SNSのような感覚で気軽に記録できるため、職員もすぐにケアコラボに慣れました。また、記録に動画を活用できるようになったことが、業務効率化の大きなポイントになりました。マニュアルや申し送りなども、文字だけでなく動画で撮影した記録を貼っておけば、見たいときに簡単にアクセスできて便利です。
他のソフトでは、1本あたり20秒までなど動画の制限が極端に短く、「正直、20秒で何が伝えられるのか?」と感じたこともありました。
その点、ケアコラボでは1本あたり約2分の動画を撮影できるため、必要な情報を1つの動画にしっかり収められます。
数十秒の出来事も、文章で記録しようとすると時間がかかりますが、動画なら撮影して添付するだけ。素早く記録できるので、次々と情報を残せる点が魅力です。
― ケアコラボの操作感についてはどのように感じていらっしゃいますか?
比較検討時にさまざまな記録ソフトを試しましたが、その中で操作方法が簡単なことが最も重要だと感じました。職員が最初に触れたときに「難しそう」と思うと、その後の導入がスムーズに進みません。
パソコンやタブレットが苦手と言っていた職員も、導入から1ヶ月で問題なく使いこなせるようになりました。
― 記録の入力に関して、どのようなデバイスを使用していますか?
パソコンは主に記録の入力に使用し、タブレットはバイタルや食事量の入力、受診時の情報共有などに活用しています。特に受診時には、タブレットの大画面で動画や画像を医師に直接見せられるため、視覚的に情報を伝えやすくて助かっています。
初めはパソコンでの入力に抵抗を感じる人もいましたが、スマホでも記録できることを伝えるとハードルが一気に下がりました。
事業所ごとに少しずつ活用方法が異なりますが、基本的には適切なデバイスを使用してどこにいても記録ができる環境が整っています。

職員だけでなく、ご家族や多職種も含めた情報共有で活躍
― 特に活用している機能はありますか?
欠かせない機能として活用しているのが「申し送り機能」です。
小規模多機能の事業所では利用日程、訪問やお迎えの時間など、細かな変更が日々頻繁に発生します。これらの情報を事業所内で迅速に連絡し合う必要がある状況下で、文字だけでなく写真やデータを添付して情報共有できる点が助かっています。
スタンプの機能を使って既読管理もできるため、情報共有が確実に行われるようになりました。
― ご家族共有についても教えてください。
ケアコラボのご家族機能を使い、記録はご家族に公開しています。今までは送迎時や電話でしか情報を得られませんでしたが、ケアコラボにログインすることで、写真付きの記録を全て確認できるようになりました。
ご家族からのアンケートでも、記録の共有は非常に好評です。積極的に情報を公開する習慣が定着したことは、ご家族にとってもたいへん有益だと感じています。
公開機能を活用して起こった変化のひとつとして、記録の構成が非常に整ったことが挙げられます。記録に対する責任感の増加により「誰かに見せるもの」という意識が強まり、結果として記録がとても見やすくなりました。
また、バイタルの記録がデータ化され、看護師も情報が把握しやすくなった点も大きな変化です。以前は、夜勤中に熱が出たご利用者がいるかどうかを都度電話で確認していましたが、ケアコラボをパッと見ただけで異常を察知できるようになりました。これにより、スタッフが電話対応で手を止める必要もなくなりました。さらに、コメント機能を活用することで、対処のアドバイスを送ることもでき、業務の効率が大幅に向上しました。
― その他に、ケアコラボを導入して起きた変化があれば教えてください。
食事の平均摂取量がわかる機能は本当に便利ですね。以前は手計算していたので、すぐに情報を提供するのが難しかったのですが、ケアコラボは食事量、水分量の平均を期間を指定してすぐに計算できます。
ドクターに聞かれても画面を見せながら伝えられるので、状況に応じて的確な指示を仰ぐことができるようになりました。
また、ケアコラボでの記録業務を通して、職員それぞれの得意なことを活かせる環境づくりを心がけるようになりました。
記録が多い職員は、やはり記録が上手だと感じます。一方で記録が少ない人は仕事をしていないわけではなく、単に記録が苦手なだけです。無理に記録をしてもらうより、得意分野で活躍できるような仕事を任せる方が効率的だということに気付きました。
チーム全体で協力できる環境ができたのも、ケアコラボの導入効果の一つだと感じます。

― 今後ケアコラボを使っていく展望があれば教えてください。
ケアコラボは複合的なプラットフォームのように感じていて、管理職にとってはなくてはならない存在です。
すべての情報がご利用者を軸に時系列でまとまっているので、緊急時でも記録を見返すことでご家族に連絡すべきか判断ができます。離れている場所にいても、現場に的確な指示を出すこともできます。
本当に便利だと思っていますし、サービスの種別に関係なく導入しやすいので、今後は法人内のさまざまな事業所にも広がっていけばいいと考えています。
現在は小多機の事業所だけで利用していますが、法人内のショートステイの管理者からも問い合わせを受けており、導入されれば確実に生産性向上につながると期待しています。
先日も別の事業所から来られた方の情報がケアコラボで確認できたケースがあり、利用する事業所が増えるほど使い勝手がよくなると感じています。