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しまわない介護記録

  

シリーズしまわない介護記録

ご家族との関係性が変わる

介護記録の活用で得られる3つの成果

藤原 士朗

私も義理の祖母が施設に入居していますが、遠方の施設なので多くても年に一度しか足を運ぶことができません。面会時も居室や面会室で歓談して終わることがほとんどです。恐らく、日々丁寧にケアをしてもらっていると思うのですが、その様子を見ることができません。

介護施設や職員さんに対して特段悪い印象があるわけではありませんが、一方で信頼感が蓄積される機会もありません。せっかく現場で職員の方が誠心誠意ケアをしてくれていても、それがご家族に伝わることがなければ信頼関係に変化はありません。

ご家族との関係性は喜びや充実感に影響を与える

北翔大学 八巻 貴穂氏の論文「介護福祉専門職の仕事のやりがい感に影響を及ぼす要因」※1で、北海道札幌市近郊の高齢者介護施設20施設に勤務する介護福祉専門職対象に行ったアンケート結果を引用します。

介護の仕事をしていて「喜び」や「充実感」を感じるときについての回答で、「利用者の家族に信頼されていると感じたとき」が146名中77名(52.7%)という回答がありました。ご家族との関係性が、利用者への関わりの次に職員の喜びや充実感に影響しているとの結果でした。

自分の仕事が誰かに感謝されることは、疑う余地のない人の根源的な喜びです。役に立っていることを実感しながら、自分の行動に納得感を持って働けることはとても重要です。しかしながら、介護職はケアを提供しているご利用者から直接感謝される機会は少ないのが実情です。

日常のケアが家族からの感謝の対象に

ケアコラボでは、ご利用者のご家族をシステムに招待して記録を閲覧してもらうことができます。ご家族はスマホやパソコンから、いつでも日常の記録やバイタル、ケアプランを閲覧することができます。

日常の何気ないケアも、実は家族からすれば感謝の対象になることもあります。ケアコラボで実際にあった例を見てみてましょう。

24時間体制で見守ってくれていることが伝わると、ご家族は自然と感謝の気持ちを持ちます。職員の顔写真や名前もわかるので、関係性もより近くなるでしょう。定常的な作業が実はご家族から見れば感謝されるものだったことに気づくと、日々のケアにもっと身が入ります。お客様から聞きましたが、記録に使う用語も変化して、誰が見ても伝わる表現方法に変わってくるそうです。

ご家族との距離が近づく

ケアコラボを2018年から利用している法人の理事長からは、ご家族との記録の共有で職員に起きた変化を以下のように感じられています。

ご家族からは日々のケアに対して「ありがとう」とコメントを返して頂けるだけではなく、実際にお会いしたときにも、「いつも見ています。ありがとうございます」と感謝してもらえます。こんなに感謝される仕事はそうそうないですよね。介護士は自分たちの仕事に誇りを持ち、仕事に対するやる気がガラッと変わりました。

社会福祉法人 元気の里とかち様@北海道

またケアコラボをご利用いただいている他の法人様では、2016年度にケアコラボを導入して以降、面会者数が30%以上も上昇しています。スマホから日頃の様子が見えると面会が減ってしまうのではと思わるかもしれませんが、事実はその逆でした。

年度面会者数(のべ)
20142,415
20152,787
20163,287
20173,784
20183,386

日頃の様子が見えないまま突発的な事件が起きた時、ご家族は今までどんなケアをしていたのかと不信感を持ってしまいます。クレームを受けてからの情報公開は、信頼関係を回復するところから始めなければいけないので、手間も心理的負担もとても大きく、職員のストレスや離職の原因となってしまいます。

ご家族がケアコラボを通じて日常的に写真や動画を見ることができていると、安心感や信頼感が蓄積されます。もし何か事故があっても信頼感を前提にお話することができるので、スムーズに前向きに話し合いを進めることができるでしょう。ご家族と信頼関係が構築できることはクレームへのリスクマネジメントにもなります。

ケアコラボを使うことで、看取りのプロセスでは本当に奇跡のようなできごとが次々と起こります。タイムリーに状況をシェアすることで、ご家族とともに看取りをしていくことができます。看取りに関しては別の章で詳しくお伝えします。


藤原 士朗

2011年創業のシステム開発会社、ソニックガーデンの副社長を務める。ソニックガーデン社への介護記録システムの開発依頼をきっかけに介護の世界へ。社福のミッションに向かう力強さと、介護士の人間的魅力に惹かれて、ケア記録システム「ケアコラボ」を提供する法人を設立、代表取締役に就任。

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