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ケアコラボの視点

シリーズケアコラボの視点

2025年始 – 自己組織化とインパクトの最大化

藤原 士朗 藤原 士朗

あけましておめでとうございます。
ケアコラボ代表の藤原です。

年始のブログは、私にとって一年を振り返り、新たな年の方針を皆さまと共有する大切な機会です。ぜひ最後までお付き合いいただければ幸いです。

個人のふりかえり

2024年、私は新たに3つの挑戦を始めました。
1. 文教領域のシステムベンチャーにて執行役員CTOに就任
2. 地元のまちづくり会社の取締役として地域発展に貢献
3. 小学校PTA会長として組織改革プロジェクトを立ち上げ

いずれも初めての経験でしたが、それぞれの活動で得た学びがケアコラボの経営にも還流し、新たな刺激を組織にもたらせたと感じています。

ケアコラボのふりかえりと考察

2024年のテーマは「チームの境界線を溶かす」でした。
宣言通り、様々なパートナーの方とワンチームとなって活動することができました。また、お客様同士の対話を生む「ラボCafe」の取り組みも始まり、境界線は溶けつつあると実感しています。

しかし一方で、自社に目を向けてみると、従来の「開発」「サービス」「コーポレート」の3チーム体制が組織の生産性や創造性を阻害していることが見えてきました。

例えば、機能開発のアイデアは顧客対応をするサービスチームや、プライベートでAI技術に触れる中で浮かぶこともあります。しかし、それらを開発チームに伝える際には、多くの労力や「説得」が必要になる場面がありました。

組織化を進めたことで、社内稟議のような形式的な手順が増え、結果としてコミュニケーションのコストが高まり、生産性と創造性を損なってしまうことがあったのです。

組織化ではなく自己組織化に挑戦

そこで2024年、私たちは「ホラクラシー型組織」への移行に挑戦しました。メインターゲットへの新たな価値提供のチーム、顧客要望を叶えるチームなど目的ごとに開発チームを分割し、各チームが、開発予算、要件定義と設計、優先順位付けなどの機能を一貫して担える体制にしました。

結果、機能開発の設計ラインが1本から現在では4本に拡大しており、同時並行で推進されるようになりました。

さらに、チームの枠を超えた「タスクフォース」も導入し、個々のメンバーが自主的にプロジェクトを立ち上げる環境が整いました。「自己組織化できる組織」が着実に育ち、組織全体の生産性と創造性が向上しました。

誠実に、心を込めて、相手の良さを認める

自己組織化には時間がかかります。そして、功を焦ればそのプロセスはうまく進みません。
重要なのは、「メンバーを信じること」です。
それぞれの良さを認め、対話を通じて理解を深め、共通の目標に向かって進む。ときには厳しいフィードバックもする。多少の小競り合いは望むところです。

昨年、私はデール・カーネギーの著書『人を動かす』に登場する言葉「アプリシエーション(誠実に、心を込めて、相手の良さを認める)」に深く感銘を受けました。この姿勢が、組織の強固な信頼関係を築き、長期的な成長につながると確信しています。

「誠実に、心を込めて、相手の良さを認める」ことには時間がかかります。しかし、一度それができるようになれば、待つことに対する「焦り」よりも「期待」が上回るようになります。

待たれている側は焦燥感から解放され、自分を信じて目の前のことに集中できるでしょう。そして、待つ側も、可能性を信じながら時間を過ごすことができるので、多幸感が高まります。

この姿勢が、互いに信頼し合えるウェルビーイングな職場を形成すると考えています。

2025年はインパクトにフォーカス

毎年、私はその年を象徴する一文字を掲げています。一年を総括して書くのではなく、新しい年が始まる前に掲げてしまいます。情報を極限まで圧縮した目標設定と言えるでしょうか。

2023年は「放」、淀みがあったエゴを仏教哲学を礎に手放す一年でした。
2024年は「組」、前述したような組織化にチャレンジできた一年でした。

2025年は「殴」インパクトを生み出す覚悟を持って取り組む一年にしたいと考えています。

これまでケアコラボの効果は主に定性的に伝えてきましたが、今後は指標で効果を測定できるようにし、その結果をもとにカスタマーサクセスの活動を一層充実させます。例えば、ご家族の満足度や現場スタッフの負担軽減度合いなど、具体的な数値で成果を可視化することで、ケアコラボの真価をより多くの方に伝えることができるでしょう。

これは単なる売上や利益といった一般的な企業評価にとどまらず、「ケアコラボが何のために存在し、どのように社会に貢献しているのか」という私たち独自の指標=信念を掲げることでもあります。指標を通じて、私たちの使命と価値をより明確に表現し、未来へとつなげていきたいと考えています。

その他、新サービスの開発や福祉業界への貢献する事業構想を進め、業界全体への影響力を強化していきます。もちろん、すぐに結果が出るものではありません。2026年以降に真のインパクトが見えてくるでしょう。だからこそ、焦らず、しかし着実に進めていきます。

自己組織化が進み、新たな経営方針や事業構想が見えてきた2025年。
ケアコラボは次なるステージへと進化し続けます。

本年もどうぞよろしくお願いいたします。

藤原 士朗

藤原 士朗

2011年創業のシステム開発会社、ソニックガーデンの副社長を務める。ソニックガーデン社への介護記録システムの開発依頼をきっかけに介護の世界へ。社福のミッションに向かう力強さと、介護士の人間的魅力に惹かれて、ケア記録システム「ケアコラボ」を提供する法人を設立、代表取締役に就任。

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